PENTINA(ペンティナ・ペンチナ)を知ったのはたしか2〜3年前
のWEB上。なんと斬新なデザインだろうと思った。しかし、買うまでに
はいたらなかった。
カメラコレクターで友人のT氏のコレクションを拝見していて、このペン
ティナを見つけ思わず「わぁペンティナだ」と叫んでしまった。
「このカメラ面白いデザインですよねえ」とさんざんなでまわしていたら
お近づきのしるしに、といただいてしまった。 ^^;;
こうして手にとってみると、改めてこのユニークなデザインに感心してし
まう。機能としては、セレンの露出計付きのレンズシャッター一眼レフな
のだが、各部のデザインのまとめ方と、露出計・絞り・シャッターの連動
の仕組み、左手操作のシャッター・巻き上げなど、どれをとってもユニー
クで、それでいて使い勝手がとてもいい。こんないいカメラがあったなん
て。。。
では、その各部分にスポットを当ててみよう。
「神は細部に宿り賜う」のだ。。
≪デザイン≫
まず正面。
ペンタプリズムの出っ張りはSLRの象徴である。それをこのカメラは否
定してしまった。ご存知「オリンパスペンF」「フォカフレックス」なん
ていうカメラ達もペエンタプリズム部のでっぱりがない。でもこれらは光
をサイドに振ったり、下に振ったりと、独特な光路の構造になっている。
ところがこのペンティナは、上に光路を通す普通のSLRの形でありなが
ら、出っ張りを無くしてしまったのだ、両肩を持ち上げることで。(それ
は、ライカR8や、EOS−1vという、現在の最先端のデザインに共通
するといったら、言い過ぎか。)
それで、このような弁当箱型というか、突起物のないフォルムになってい
る。しかし、上部は直線ではない。ゆるい大きなカーブを描いている。こ
のカーブこそ、ペンティナのデザインの大きな特徴だろう。
カメラ上部には、露出計の窓しかない。シャッターボタンは前面。巻き上
げレバーは後ろ側にある。ん?ペンFもたしか似たような形だったなあ。
巻き戻しクランクは底面。これがまた凝った形だ。それは後ほど。
サイドに目を向けてみよう。両サイドから上部まで、1枚のパネルになっ
ているのがわかる。これによって、このカメラはきれいな左右対称になっ
ているのだ。しかも、通常のヒンジによる裏ブタ開閉だと、片側がヒンジ
もう片方が裏ブタを開けるためのレバーと、対称形にはならないため、か
くれるように付いたレバーによって、裏ブタがポロッとはずれるような仕
組みになっている。
次に底面。
巻き戻しクランクのデザインは、ちょっと変わった丸棒を使ったデザイン。
引き出して、丸く切った溝に半分はめ込むと、引っかかって回せる仕組み
になっている。露出計のASA感度ノブがあり、これが絞りと連動する。
底面にこれらの出っ張りがあるため、カメラを置いたときにごろごろしな
いように、マウントの下部にイボのような2つの小さな足が付いている。
このデザインを一目見て感じるのは、これがこのカメラを作った時点での
『未来形』だったのだろう ということだ。
従来のカメラのフォルムから離れて、未来のカメラをデザインした。そん
な気がしてならない。そして、それがワタシにはグッときてしまう。。
このイメージは、1960年代に作られたアメリカ車や家庭電化製品にも
多い。その匂いは、何故か懐かしく自分自身が小さい子供だったこともあ
り、未来を夢見ていた自分と、時代自身の持っていた若さを思い出させて
くれる。
≪操作≫
PENTINAの露出制御は『セレンの露出計に追針でEV値を決める』
という方式で、レチナ3Sなども似たような仕組みである。ただ、このカ
メラは、とても操作性がよい。
まず、底面のASA感度をセッティングする。経年変化でメーターの多少
の誤差は、ここで補正できる。ワタシのPENTINAではASA160
くらいが100になる。
次にカメラを被写体に向けて、メーターの針に追針式の指標を合わせる。
これは、右手側の絞りリングのレバーを回す。すると、写真のようにシャ
ッタースピードと絞りの組み合わせが重なる。そこで今度は、左手側のシ
ャッタースピードレバーを回して、任意のスピードにセットすればいい。
EV式のシャッターと絞りの組み合わせの操作としては、とてもわかりや
すく、使いやすい仕組みだと思う。
ミラーはクイックリターンではないので、シャッターを切るとファインダ
ーはブラックアウトのままなのは、一般的なレンズシャッター一眼レフと
同じであるが、巻き上げによって絞りは開放にセットされるので、使い勝
手としてはいまでもそれほど不便は感じない。
左手でやや危うげな巻き上げレバーをチャージし、レリーズボタンを押す
と、『シャキッ』という、やや高い音でシャッターが切れる。こころなし
か、WELLAの音に似ている気がする。
レンズは標準レンズの50mmF2.8のテッサーが付いている。このカ
メラはレンズ交換ができる。マウントはスピゴットマウント。
テッサーの写りは、例のカリッとしたシャープ&ハイコントラスト。ワタ
シは好きな描写である。
聞くところによれば、その後の日本製のカメラにも、PENTINAのデ
ザインは影響を与えたらしい。斬新なデザイン・アイデアとそれを実現す
る工業技術。『未来』というイメージをひとつのカメラとして実現した、
このカメラPENTINAにワタシは40年の時を超えて拍手を贈りたい。
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