交換レンズ
レチナIIIcには、すでにご紹介した通り標準50mmf2の他に、
広角35mmf5.6と望遠80mmf4があります。レンズは前群交換式で
レンズをはずすと、すぐシャッター羽根がありその後ろに後群レンズ、絞り
となっています。
後群が残るため、シュナイダーとローデンストックのレンズに互換性があり
ません。(この規格を統一できなかったのかなと感じます)
前にも書いた通り、35mmと80mmのレンズは距離合わせが手動というか
非常に面倒です。また、標準以外のレンズを装着すると前蓋は閉まりません。
U型からレンズ交換ができるようになったとはいえ、とても無理をしたシステ
ムのような気がします。
ただ、この同じレンズが使える「レチナ レフレックス」という一眼レフが、
IIIcの発売より少し後に発売されています。フォールディング式でなくなった
IIISもそうですが、レンジファインダー機と、一眼レフ機が全く同じレンズを
使えるという、今では考えられないシステムが存在していたのです。
80mmを使うのにはレフレックスの方がいいのかも知れません。
ただ私は80mmをIIIcに付けた時の姿がとても気に入っています。
まるでビックリ箱から飛び出してきたように、大きな前ダマがドーンと突き出
したデザインは迫力があります。
IIIc+80mm
どうもこのカメラで交換レンズはあまり使われなかったのではないかなと思い
ます。ただ、レンズ固定と交換可能では「天と地」のひらきがあると、私は考
えています。カメラはもちろん写真を撮る道具ですが、単にそれだけでなく、
カメラ自体を楽しむためには、いわゆるシステムカメラというか、いろいろな
アクセサリーがあったほうが、断然楽しいのです。これを私は「ロッキングチ
ェアーカメラマン」と呼んでいます。
特にレンズ交換はぜひとも欲しい。3本のレンズがあれば被写体を3つの見方
で撮ることができる。つまり3倍楽しいわけです。
各レンズの描写についてはまだまだ使い込んでいないので、追々レポートして
いく予定です。
ただ、少しテストしてみて感じたのは、3本のレンズとも画像が隅々まで均一
で、すばらしくシャープで、ボケ味もいわゆる芯のあるきれいなボケだという
ことです。さすがシュナイダー!(もっとも大判用の今のシュナイダーなど使
ったことはないのですが)
f8〜11に絞るとどのレンズもほとんどパンフォーカスで、35mmなどは
特に(面倒な距離合わせなど気にせずに)スナップに最適だと思います。
50mmはF2の口径とショックの無いレンズシャッターを生かして、室内な
どで、ノンストロボ・スローシャッターにお勧めです。
さて80mmです。これをどう使うか。今ではポートレートレンズと呼ばれる
80mmですが、40年前は立派に望遠レンズだったのでしょうか。
レンズは大きいわりにF4。しかも距離合わせ面倒。でもきれい、何とか役立
てたい。で、結局一眼レフの「レチナレフレックス」を買ってしまったのです。
このレンズも基本的にピントが深く、今の大口径レンズのような使い方はでき
ませんが、遠近感を圧縮した描写にはとても適していると思います。
そう、要するに35・50・80mmのどれを選ぶかというのは、被写体をど
んなパースペクティブで表現するかという、意図にかかわってくるのです。
当たり前と言えば当たり前ですが、どうも自分自身、広い範囲を撮るから広角、
遠いものを撮るから望遠、と安易に考えていたふしがあります。ズームが常用
になってからは、単にフレーミングだけで(もちろんそれは大事ですが)ズー
ミングしていたのではないかと、反省しています。
何をどう表現するのか。改めて写真の原点をこのカメラに、教えられた気がし
ます。
フードは昔使っていたフジカHD-1用をステップアップリングで装着
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