HASSELBLAD 500C W/Planar 80mm T*


SWEDISH TASTE   スクエアに行こう

ハッセルブラッドなんていうカメラを買う気はまったくなかった。
いや、昔から欲しいとは思っていたのだが、その値段のため、とても
手が出なかった。
かつて、ツアイスイエナ(ゼンザノン)80mm付きのブロニカECTL
という『プアマンズハッセル』と自分で名付けたカメラを持っていた
のだが、中判を使いこなせないまま手放した。

今年(1999年)はじめ、レチナハウスの新着商品リストに、『ハッセル
ブラッド500C/M 80mm A12セット』が\98,000と出ていて、「明日から
店頭に並びます」というのを夜のうちにチェックしたのがいけなかっ
た。
開店早々では、間違い無く買ってしまうだろうから、売れていたらそ
れでもいいや、と自分を納得させて、結局開店30分過ぎには電話。

外観はそれなり、レンズも傷があるものの、店主が試写してみて
「すごくきれいに撮れますよ。これはアタリのカメラ・レンズです」
の一言に「買います・・・」

さて、来てみると500CMのはずが500C。早速電話する。
その時の応対の様子では、単なるウェブカタログの記載ミスではなく
どうもCMと思い込んでいたようであった。
こういうバカな店であった。CMとCの区別も付かずにハッセルを
販売するような。。こういう店であったから、のちにつぶれてしまった。

でも思ったより外観もひどいわけではなく、レンズも多分撮影には
問題なさそう。

もともと丈夫なカメラだそうだが、遮光板の連動やスプリングなどの
不具合が出ると、OHは高いらしいので、保証付きというのは安心で
ある。

早速テスト撮影。あがりをみると、さすが中判。なめらかな描写・ボ
ケ味。これがあるから、ブローニーには手を出さないようにしていた
のに・・・・はまりそう。

逆光でのフレアーの出方やフード無しでの野外、室内などをチェック
してみたが、指摘された駒送りムラが少しあるだけで、まったく問題
なし。

ハッセルといえば、スウェーデン製ボディにツアイス(ドイツ)のレ
ンズ。同じスウェーデン製の工業製品といえば、ボルボやサーブが有
名だが、釣りの方でも「ABU(アブ)」という有名なメーカーがあ
る。しばらく前からアメリカでの販売元だった「ガルシア社」と提携
・合併し「アブガルシア」となり、日本ではオリムピック釣具(現 
マミヤOP)と提携するなど、ハッセルと同じく多国籍企業である。

上の写真はハッセルとABU6500 C3(2Speed)というリール。
このリールは伝統的はABUの両軸リールなのだが、このサイズのリ
ールには珍しく、2段変速(巻き上げるスピード、つまり力を変えら
れる)という、トローリングリールのような機構を持っている。

スウェーデンの製品というのはどこか共通点があるような気がする。
良質なスウェーデン鋼を使い、丈夫であり無骨なデザイン。最初は、
ちょっと使いにくいかなと思っていっても慣れると実に使いやすい。
ドイツ製品のようなパラノイヤ的精密感はなく、ある意味簡単な機構
や場所によっては材質もそれなりだったりする。全く「必用十分」と
いう言葉そのままなのだ。
つまり、徹底的に「実用品」である。

始めてハッセルを使ってみて、その「実用機」ぶりを実感した。手持
ちで使える軽快さ。ミラーアップ・プレビュー、フィルムバック自体
の仕組みや連動、遮光板のロック機構。。。そして、現在の機種との
レンズ・アクセサリーなどの互換性。
プロユースというのは、こういうものなのだろう。

それは別の言葉で言えば「普通」であるということ。何も奇をてらわ
ず、もくもくと仕事をする『道具』.......
素晴らしい「普通の道具」である。さて、何を撮ろうか・・・・

(以下2001年9月加筆)
このカメラを最近はよくモデル撮影などの人物用に使っている。
タウン誌の表紙の撮影をたのまれ、ブローニーでという要請で、使い始めたのだが
大型ストロボを使用して、絞りを絞りこんでの撮影だと、極めてシャープで、それでいて
硬すぎず、実にいい描写をする。
失敗がゆるされないので、ポラでライティングや露出のチェックもするようになった。
また最近は野外での撮影会でも必ずハッセルを持参している。
寄れないポジションでも、まわりを広く入れたまま撮っておき、プリント時にトリミングを
している。
この撮影のしかたが最近は気に入っている。フレーミングから開放されると、とても
自由に、モデルの表情だけを気にしながら撮影できる。
標準レンズ80mmの画角は、パースペクティブが自然で、目で見た感じにちかい。

一度カメラをOHしようかと思っていたのだが、松坂屋のカメラ市の時に、ハッセルの
修理の専門家の角田さんの無料診断があり、チェックしてもらった。すばやい手つきで
カメラを動かしたあと「どこも問題ありませんね」とお墨付きをもらい、ホッとした。
シリアルナンバーから、ワタシの500Cは、1950年代後半のものだそうだ。
また、レンズは硝材がショット社のころのもので、この年代ガラスに鉛を混入していて
今の最新レンズとは違った、柔らかい描写が特徴だとのこと。
確かに、大型ストロボでf11くらいでの撮影時にも、シャープでいながらとても自然な
描写をすると思っていたが、そういう理由があったと聞き、納得した。

とはいえ、もうちょっと新しいハッセルも使ってみたいという煩悩もまだある。
ハッセルは交換レンズなどが高いのがちょっと・・・・・であるが、標準セットのハッセル
は、10〜20万円くらいで売っていて、ワタシはこれくらいコストパフォーマンスのいい
カメラはないのではなかろうかと思っている。
 


「水戸芸術館」 1/30 f2.8

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