『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三著 <「ロータスエランのために」の項より> わたくしがロンドンへ発つにあたって、ひとつ実にくだらないことを、心にきめてきた。 つまり、もし、この役が貰えたら、何が何でもロータスエランを買ってやろうと思ったのです。 ロータスエランは英国のスポーツカーだ。排気量は1600ccと小さいが、200キロ 近い最高速度を持つ。しかも、スタートして100キロに達するに要する時間が何秒だと思う。 たったの7秒という、実にどうも気違いじみた車なのです。 |
| この本を読んだのは、1977年の秋も深まったころのはずだ。
伊丹十三の「女たちよ」というエッセイ集を、これ面白いよ と、アパートの隣室の先輩JK氏に薦められたのは、その2年前の大学1年の時。ワタシはすっかり伊丹十三のファンになり、他の本を探して読んだのだが、なにかで知った『ヨーロッパ退屈日記』は当時絶版で、これも読んでみたいと思っていたが、図書館で探すというほどでもなく、そのままにしていた。 2度目の2年生をやっていた1977年、蒲田の小さな学習塾でアルバイトをしたのだが、 自宅の一部を改造したその塾の待合室のようなスペースに、何冊かの本が置いてあり、その中に、『ヨーロッパ退屈日記』をみつけたときは、うれしかった。学習塾の経営者は その家の奥さんで、この本のことを聞くと、自分では読んでいないようで、借りたいというワタシの申し出にも、そっけなく「いいですよ」という返事だった記憶がある。 その後、1985年に(これまた正確に覚えているのは、結婚した年に妻に読んでみたら、と薦めて買ったからなのだが)文春文庫に納められたモノを自分でも買ったのだが、本棚を片付けた時に紛れてしまい、今回図書館で借りてきた。
と、前置きが長くなったのは、ワタシがロータスエランという車を初めて知ったのはこの本の、上に引用した部分である。この本には、ジャガー(もちろん当時のMk2やEタイプ)
以来四半世紀の時が流れた21世紀最初の年、ワタシはエラン・シリーズ4を、手に入れた。突然古いスポーツカーを買うと言うと、家内は驚いたが、この車を買ってしまったことに一番驚いているのは、実は私自身かもしれない。。 以下、きわめて個人的なエランとの接近遭遇について書いてみたい。 レストランにて
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